感想 ツッコミ芸人大喜利 by 東京大喜利倶楽部(TOC)

蓋をあけてみれば、ツッコミでもなきゃ大喜利ですらなかったライブでした。
こんなライブになるなんて、まったく予想してませんでしたよ!
多分、このメンバーでQ&Aみたいな大喜利ライブをすると思っていた人がほとんどだと思うんですよ。私もそうでした。
こんなわちゃわちゃで大喜利でもなんでもないことばっかりやる予定なんだったら、事前にそう告知してくれればよかったのに。そしたらまたチケットの売れ行きも違ってきたと思うのは私だけですか(笑)
Q&Aでの静寂や緊張感からは完全にかけ離れた、はちゃめちゃでわちゃわちゃで楽しいライブでした。2時間笑いっぱなし!
東京大喜利倶楽部、ふり幅広すぎます(笑)でもこれはきっと、TOCそのものにとってかなり武器になっちゃうかもしれない、とも正直思うわけです。
しかしこのわちゃわちゃパーティライブでの一番が、単純にQ&A参加候補となるのは、今回は結果オーライだったとはいえ、どうなのか(笑)


MVPの近藤さんは素晴らしかった!芸歴とか彼女達の前ではこれっぽっちも関係ないんだなあと思います。
先輩のお兄さん達が終始「さすがだなー」と言っていたのも頷けるような、2時間通してキレのあるツッコミor大喜利と、抜群の存在感。女の子が、男の人に体型とか容姿を弄られて悲壮感がないどころか、逆に生き生きしてそれが可愛い、みたいなのは、なかなか得難いスキルじゃないかとしみじみおもいます。
しかも、ひとつひとつの返しが上手いし面白いんだよなあ。並々ならない瞬発力に惚れ惚れです。
あとはもう、大さん!もう、この日は大さんでどれだけ笑ったことか!
まず声がずるい。いい声すぎてずるくて、態度がずるい。あれで安村さん言うところの「戦時中」口調(笑)はたまらないですね。でも、先日のダイナマイト関西決勝を見たときに「大喜利は声とか口調も大いに笑う要素としてあるよね」という話を友人としたばかりだったのに、大さんの大喜利はあの素敵声が勿体無いことこの上なし。声は出来る人の声なのに、相変わらずの大さんぶり。
さすが大さん枠を確立した(ということに私の中ではなっている)パイオニアなだけあります。
それにしても、言うことがとりあえずなんかもう可笑しいよあの人。特に後半、大喜利とかどうでもいい感じのコーナー(笑)になったら、もう事あるごとに素晴らしいんですよ。頼もしいんだか頼もしくないんだか、見ていてもまったく分からない。
人の解説しているときがMAXだったかもしれません。あの声でフォローされても、全部が胡散臭いところがまた凄い。大喜利ではつるっと滑りつつ、解説でぶっとんだ事を言う大さんに釘付けでした。


Q&Aでは吉田さんが回答中は林将軍がMCをするのですが、今回は同期の桜であるところの堀内さんがその役目でした。普段相方の竹永さんが何しろパワフルで賑やかなので、どうしてもそちらに目が行きがちなのですが、こうしてツッコミ芸人の中だけで見ていると、堀内さんがすごく頼もしく頭の回転の速いツッコミさんであることがバレバレでした。ぽんと出てくる言葉のひとつひとつにそのたびに擽られてしまうんです。安村さんとの絵に描いたようなダブルツッコミがまた楽しかったり。
安村さんは、本当に終始楽しそうで、ちゃんとツッコミらしいこともするのに、わちゃわちゃするときは思い切りわちゃわちゃしてて、そのへんのバランス感覚が見てて気持ちよかったなあ。
ボンさんは、なんていうか、先日ルミネで見た若手大喜利での豪快なスベリぶりを今回も見られるかと思ってたんですけど、それよりもひたすらに自然体でおとぼけキャラだったところが楽しかった(笑)ツッコミをしなきゃいけないのに、ずっと疑問を口にしてばかりだったり。ほんと憎めない素敵なキャラです。
私、最近アホマイルドのある方面へ偏りつつあるネタが大好きなのですが、今日は坂本さん一人でお約束の太鼓のくだりをやっているのが見れたことが嬉しくて嬉しくておおはしゃぎでした。ひとりでも出来るんだ(笑)さすがです。
エリートヤンキー橘さんは、相方さんの大喜利が面白かったですが、橘さんは橘さんで、近藤さんと同じく一番後輩とは思えないくらい、安定感あるポジション取りでびっくり。先輩ばかりのライブで、物怖じしている様子がまったく見られなかったところも頼もしい。NSC9期生、侮れません。


マキシマムパーパーサムはネタを数回見たことがあるだけで、ましてや個人のパーソナリティについてはほとんど存じ上げなかったのですが、つよしさん、面白いなあ(笑)溌剌としてるなあと最初思っていて、それが時間を追うごとにどんどん濃いリアクション濃い言動が増えていくのが面白くて。絶対に中途半端で終わらせないんですよね、0か100か、みたいなイメージ(笑)小さい体の人ほどパワフルなのは何故だろうなあ。
こりゃめでてーなの伊藤さんも、同じくこういうイベントでどんな感じに立ち回る人なのか分からなかったのですが、結構ないじられキャラ風で意外。というか今回はツッコミ芸人大喜利なのに、ツッコミ芸人であるのと同時にいじられて輝く芸人さんが集っていたので、大喜利そのものよりもわちゃわちゃさから来る面白さが際立ったのかもしれないな、とも思ったりしました。
わちゃわちゃしつつ、大喜利を答えたりボケを考えたりするとあっというまに手が止まるような人たちでしたが(笑)コーナーでのチームワークもさすがだし、おろおろする様も楽しいし、そのくせちゃんとオチは付けられる人もいるし。
いつものTOC大喜利の回答勝負であるなら、今回のツッコミ芸人大喜利は、参加者のキャラと個性とそこから生まれる不思議なチームワークで笑わせる力技のライブだったな、というのが全体的な感想かもしれません。
技術で勝負してたの、本当に近藤さんと堀内さん(のしきり)くらいじゃなかったかな。後は本当に、得体の知れないパワーで押し切ってたような気がします。


しかし2時間終始ご機嫌というか、もういっそ笑いっぱなしの主催者がそれはそれで面白かった(笑)
上ランクのライブに定期出演している(主催だから当然ですが)吉田さんなのに*1、あまりに楽しみすぎて笑いすぎて、これという大喜利回答も無く(笑)他の出演者のやらかすあれこれに延々笑いっぱなし。後半は本当に、泣きながら笑ってましたから。どんだけ楽しんでるの!と言いたくなるほど。
吉田さんだけじゃなく、全員が本当に楽しそうでしたけどね。のびのびしてるし、スベるの怖がらないし(笑)助け合うし、ツッコミあうし。
普段の東京大喜利倶楽部とはまったく趣の違う仕上がりでしたが、これは本当に行けてよかった!と心から思いました。舞台上の芸人さんと同様、見ているこちらも終始笑いっぱなしでしたから。


ツッコミ芸人大喜利は、こういう中身のライブで、相当面白いということが判明しましたので、次に10月だか11月だかにやりたいと吉田さんが言っていた次回のライブでは、もうちょっとチケット売れるといいなーと思います(笑)

*1:大さんも第一回に出てましたが、降格しての今回のライブ出演ですから別物と捉えます。